2007年05月14日

ハイコンセプトの時代

ハイ・コンセプト「新しいこと」を考え出す人の時代


久々のブログ更新で時々チェックしていて下さった方達本当にすみませんでした。

クリニックの方はあなたのご支援のおかげで、当院が開院以来行った内視鏡検査は10ヶ月で1750件を突破し(内、無痛大腸内視鏡検査が900件ほど、もちろん大きな事故も全く無しに)、年間ベースで2000件ほどを施行できるのはほぼ間違いないかと思います。

もちろん開業一年目の実績としては中堅大学病院以上の件数をお任せ頂けた訳で、圧倒的なものと言っていいのでしょうが、

それよりも、大学病院を超えるレベルの最先端機器/業務支援システム/周辺機器(オリンパス最新鋭内視鏡機器だけでなく、使い捨て処置器具を全例に使用・オリンパス業務支援画像ファイリングシステム・毒性の無いアセサイドによる一例ごとの高レベル洗浄)を揃えた専門クリニックとしてのあなたからの一定の評価を頂けた事に本当に感謝申し上げます。

それはさておき

今回のブログの本題なんですけれど

僕が(あくまで僕がですよ!)最近読んだ本ですごくびっくりした本がありました

何の気無しに、読んだ本です。

先日、浦和若手外科医勉強会で、浦和のロイヤルパインズホテルに行ったのですけれど(開業するとこのような近隣の先生方達との勉強会/意見交換の集まりも結構多い。ネットに力を入れているのはそうなんですけれど、実際に近隣の先生と顔見知りというのも患者さんの相互紹介をより親身に適切に行うためにすごく大事なのです(と思う))

30分くらい早くついたので、浦和の須原屋(注:大きな本屋)でぶらぶらしていて、そのときに買った本です。

大前研一さんの名前と、「100万ドルの価値がある」アメリカの大ベストセラーという帯に引かれて読んでみようかなと思って買った本なのですが、

会合の前に少し読んで、いすから転げ落ちそうになるくらい衝撃を受けました

いや、本当に「ブラックジャックによろしく」を初めて読んだときと同じくらい(例えが貧弱でごめんなさい)びっくりしました

だって‥

書籍の内容の三分の一くらい(取りようによっては半分くらい)が医療に関する話だったからです‥

この本を読むと

・術後の鎮痛剤の使用を減らす方法、早期退院できる(患者さんが手術から早く回復する)方法

・炭疽菌テロの際に助かった方と助からなかった方の差をもたらした医師の対応とは何か?

・なぜ、どの職種とくらべても看護師さんの給料の上昇ペースが高く、今後全世界的に一番不足する職種とされているのか。

・腹腔鏡手術のミスが少なく処置が早い医師がやっていること(または、そうなりたい医師がやった方が良い事)

などなどその他たくさんの事がわかります

(注:これは僕が医師なのでこのような部分にばかり注目するのであって、実際には今後生きていく上で知っておいた方が良いと思われる知恵(知っている人には当たり前なのでしょうが)がたくさん書いてある本ですよ!)

そもそも「ハイコンセプト』とは何かという話なのですけれど‥

『ハイコンセプト』とはパターンやチャンスを見いだす能力、芸術面で感情面に訴える美を生み出す能力、人を納得させる話のできる能力、一見バラバラな概念を組み合わせて何か新しい構想や概念を生み出す能力

とのことです‥難しそうな表現ですよね‥

僕なりの解釈でいうと、今やある程度のレベルは当たり前なんですよね

つまりは、10年前ならば、大腸内視鏡検査を受ける為は大学病院(ないしは基幹病院)に行かない限りは検査を受ける事ができなかった訳ですよね

そういう時代であれば、もちろん大腸内視鏡検査ができるだけで、それ以上の努力をしなくても安泰だったのだと思う

でも、今はさすがにそれだけでは、あなたも受診する病院(クリニック)を選べる訳ですから、普通に大腸内視鏡検査を合併症無しに行うだけではやっていけません。

厳しい時代と言えばそうなのですが、それじゃあその場合何で差がつくのかというと

・痛み無く検査が受けられるか

・病院(クリニック)がきれいである

・スタッフ(医師や看護師さんなど)が丁寧/親切

とかいう+アルファの部分だと思うんですよね(個人的に)

つまりは、

マニュアル的な事は(大腸内視鏡の操作や手技に習熟していて正確かつ安全に行う)キッチリできて当たり前

マニュアルを超えたプラスαの部分がどこまでできるかにかかってくると思うのです

それで、先ほどの答えなのですけれど

・術後の鎮痛剤の使用を減らす方法、早期退院できる(患者さんが手術から早く回復する)方法

これは日当りの良い明るいデザインの優れた部屋で過ごさせる

すると、あまり感じの良くない部屋にいた人たちよりも平均2割鎮静剤の量が減り、2日早く退院できたという事です

(よく考えると当たり前かもしれません‥)


・炭疽菌テロの際に助かった方と助からなかった方の差をもたらした医師の対応とは何か?

これは

昔、優れた臨床家である先輩医師(今は国立がんセンターの部長をされています)から教わったことに

「自分が人間としてみて、これはヤバいと思ったのを放置してはダメだ」

という一言が有るのですけれど

それに近いものがあると思う


45歳の男性、お腹の痛みで受診されました

腹部超音波検査で、肝臓胆のう膵臓の異常なし、(胆石や膵臓の炎症などの所見無し)
腹部レントゲン検査でも特に異常なし(腸閉塞の所見無し)

虫垂炎を疑わせる発熱も圧痛みも有りません

血液検査も特に異常ありません

胃内視鏡で胃の中も見ましたが、異常有りません

それでも、特に持病のない方が、動くとちくちく痛むのを我慢して動いています

さてどうしますか?? とりあえずは心配ないと帰宅させますか?

(注:これは医療関係者向けの質問ですよ!)







答え(かどうかはともかく)、僕は痛い部位を精査するため、大腸内視鏡検査を行います

それで、進行大腸癌が見つかりましたが、幸いにもお腹を切って腸の切除手術をすれば治癒する段階でした



通り一遍の検査をして「異常有りません」と返してしまったか

医師が、「これは怪しい」と直感で思って追加の検査をするかどうかが生死を分けてしまうという事ですよね

これと同じ話(だと僕は思う)

もちろん、大腸内視鏡検査の設備が無いクリニックも有るでしょうが、それでも、検査を受けるように紹介状を書く事はできる訳なので、その事は何もしないで返してしまう言い訳にはならないと思う

最後の

・腹腔鏡手術のミスが少なく処置が早い医師がやっていること(または、そうなりたい医師がやった方が良い事)

ですけれど

週に最低3時間テレビゲームをする医師は、ゲームをしない医師に比べて、腹腔鏡手術でのミスが37%少なく、処置を27%早く行える

ことが『ネイチャー』に発表されたそうです

もちろん、僕もPS3(play station 3、あ、それとnintendo DSも)持っていますよ


以上は

あくまで「ハイコンセプト」についての僕の個人的な意見でありますので、著者が意図する内容かどうかについては保証の限りでは有りません

それと、別にplay station 3で遊ぶのを正当化する為にこのブログを書いた訳でもありませんよ・・
(念のため)

本当に驚いた本でしたのでブログに書きました

ここに書いた事以外にも、学び/気づきを得る部分がたっぷり詰まった本です

医療関係者でなくても、100万ドルの価値が有る感性を磨きたい方は必見ですよ!

ハイ・コンセプト「新しいこと」を考え出す人の時代


ということで

不定期更新の中長い文章を読んで頂き誠に有り難うございました

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この記事へのコメント

1. Posted by たけまる    2007年05月19日 14:36
初めて投稿させていただきます。実は今年の初めにそちらで大腸内視鏡検査(及びポリープ切除)をして頂き、そのあまりの快適さ(?)にたいへん感激をした者です。以来、ブログ更新を心待ちにしておりました。ともひろ先生が衝撃を受けられたと言う本、私も読んでみたくなりました。お忙しいでしょうが、お体に気をつけてくださいね。今度は径鼻胃内視鏡検査に伺いたいと思います。
2. Posted by ただともひろ    2007年07月10日 16:13
5 たけまるさま こんにちは、大腸検査をほめて頂き有り難うございます。経鼻胃内視鏡検査も当院の施行件数は1000件を突破しラクチンだと言われる事が多いです。またの来院お待ちしております。

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